女性の揺らぎ世代でお悩みの中でよくお聞きするのが、
火照りやのぼせ、ホットフラシュです。
これらを漢方では、気逆(きぎゃく)といい、
気の巡りが乱れている状態です。
本来なら、下に下がる気が上に逆流しているイメージです。
これらは、卵巣機能の低下やエストロゲン濃度(質量)の低下によって、
起こってくると考えられています。
どうして更年期の症状の重い人と軽い人がいるの?
やせ形で脂肪の量が少ない方、低体重の方が症状の訴えが多いと言われています。
やせ形のほうが脂肪が少ないために、エストロゲンの量も少なくなり、
性機能調節系(視床下部ー下垂体ー卵巣系)が乱れやすくなります。
(脂質はエストロゲンなどの性ホルモンの原料です)
やせ形のまま更年期を迎えると、エストロゲン分泌量はさらに減ってしまうので、
更年期がおもくなることが報告されています。
それと、もう一つ原因として考えられているのが、
過剰なストレスによる、大量の活性酸素の発生です。
エストロゲンの急激な減少に、
育児や、人間関係、仕事、家庭問題などの心理的ストレスが重なるとさらに更年期症状が現れやすくなります。
心理的ストレス、肉体的ストレスを慢性的に、長期的にうけると
体内ではたくさんの活性酸素が発生します。
過剰な活性酸素は、脳内の細胞を傷つけます。
脳機能の低下、調節力の乱れが生じやすくなります。
そして、うつや物忘れ、ホットフラッシュ、不安感などを引き起こす要因となると言われています。
顔の火照り、うつ状態をひきおこすしくみ
体温調節をおこなう、脳内の”視床下部”という部分の多くが活性酸素にさらされると、
ホットフラッシュを引き起こすホルモンが分泌され、
顔がほてる、汗をかくなどの不快な症状があらわれます。
更年期では卵巣の機能が低下すると、
女性ホルモンの分泌量が急激に低下し、
脳内のエストロゲン濃度も低下します。
すると、活性酸素を消してくれるエストロゲンや、酵素が加齢で足りなくなるために、
脳内に活性酸素がいっぱいだと、傷がついたり、機能が低下してしまいます。
活性酸素を消す、”ノルエピネフリン”という物質が放出されます。
ノルエピネフリンは、本来ホルモン分泌をうながす働きがあります。
そのため、活性酸素を消すとともに、ホットフラッシュを引き起こすホルモンの分泌を異常に増やしてしまいます。
その結果、ホットフラッシュが発生すると言われています。
例えてみますと、温度自動調節機能をもったエアコンが、
長年使ってきて何らかの不具合を生じ、
温度調節がうまく利かなくなってしまった状態がからだでも起こっている感じです。
また、活性酸素がいっぱいな状態、
ストレスが慢性的に続く状態、
からだの不具合がストレスだと感じている状態、
過度な運動をした場合などに、
ストレス対応ホルモンのコルチゾールというホルモンもたくさんでます。
活性酸素がなかなか消去できなと、
コルチゾールは高濃度のままで、脳の機能がますます低下して、
うつ状態、イライラ、不安感、不眠などを引き起こすとされています。
((余談))
顔(顔面)には、交感神経線維に加えて、
副交感神経線維も存在しています。
この副交感神経の血管拡張は、脳のとの関連がふかいので、
精神、メンタルによって左右されます。
例えば、恥ずかしさや、緊張で頬が紅くなったり・・という感じです。
そして、女性ホルモンのバランスが副交感神経拡張繊維に影響をおよぼして、
ホットフラッシュのような症状が起こると考えられています。
更年期の症状に必要な栄養がある
不快な症状にはまず、漢方薬はお勧めします。
漢方薬では、この気逆には、
桂枝(シナモン)を使います。
気を通す感じで、上に上がった気を下げてくれます。
桂枝が入った漢方薬を症状や体質に合わせて使います。
香りが合うアロマもとてもお勧めです。
更には、活性酸素を消去する、抗酸化ビタミンの、
ビタミンA,D、CやビタミンB群。
ミネラルの亜鉛やマグネシウム、セレンなどの摂取もとても大切です。
心身のストレスを減らすこともとっても大事で、
楽観的な考え方も取り入れるとよいです。
更年期世代は、ストレスフリーな考え方や、
肩の力を抜いて、笑いのある日々を過ごせるとよいですね。
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